中部シニアライフアドバイザー協会

台湾高齢者福祉団体交流会レポート

   

                 南投県福祉団体交流会(中央が李朝卿知事)      

               

  中部シニアライフアドバイザー協会では、2007年6月12日より15日まで、第2回海外研修旅行で「台湾」を訪問し、南投県高齢者福祉団体との交流会を実施しました(6月13日)。

  南投県は台湾の真ん中に位置し、中央山脈の懐に抱かれた温暖な地で、レイシ、パイナップル、スターフルーツなどの果物の産地として有名です。また、台湾最高峰の玉山、日月潭など、人気の高い観光地でもあります。

  今回の訪問は、この旅のコーディネーターであり、コンダクターもつとめていただいた(有)ニューライフの葉山裕子氏が南投県出身のため、彼女の橋渡しによって実現しました。

 

  ツアー参加者10名は、13日、交流会に先駆けて南投県政府を表敬訪問し、陳正昇主任秘書・熊俊平社会局局長らの歓迎を受け、その後、メインイベント会場の「南投市婦人子供会館」に向かいました。

  会場には、100名あまりの老人福祉、老人ホーム関係者、社会福祉会、(財)愛心発展協会、仁愛の家ボランティア、公務員退職者協会などのリーダーたちが集まり、私たちを迎えてくれました。

  

  プログラムのはじめは、このイベントの台湾側のパイプ役をお引き受けいただいた「仁愛の家」の董事長、張氏の通訳で、「中部SLA協会の概要」を発表しました(発表者:今泉)。台湾にはSLAのように、シニアが高齢者をサポートする発想はまだないとのこと、皆さん熱心に耳を傾けてくださり、「活動の資金はどこからでているのか」「SLA資格はどのようにして取得するのか」など、多くの質問がありました。

  その後、張氏のスピーチでは、「台湾の高齢化比率は昨年10%を超えたところである。日本に比べればまだ低いけれど、少子化も進み、しだいに深刻な問題になっている。台湾の高齢者対策は日本より20年遅れているのが現実だが、理念は同じ」と強調されました。

 

  前出の熊局長からは、台湾の高齢者事情について、「台湾では65歳以上になると年金が支給される。年金は国民の積み立てではなく、国からの支給であるが、生活費を補うだけの額ではない。介護保険についても、今後推し進めていく必要があるが、国からの補助金による可能性が大きい。また、日本を手本として介護予防の導入も検討中」と、高齢化比率の伸びが日本と類似している台湾でも、高齢者福祉に関する課題は多いようです。

  途中、李朝卿県長(知事)も所用先から駆けつけ、「豊かな風土や文化に恵まれた南投県への日本人定年退職者のロングステイ誘致について」のスピーチがありました。

  交流会後、「仁愛の家」を訪問、この施設は老人ホームや孤児院などのある福祉施設で、折しも、ボランティアによる音楽療法が行なわれていました。温かい、明るい雰囲気が漂っていました。

  台湾では、長期介護のうち、約70%は家族が担っているといわれています。介護施設は約10%、自治体は5%以下です。「仁愛の家」にも待つことなく入居できるとのことでした。この国でも、高齢化が進み、共働きの夫婦も増え、社会の基本単位が家族ではなく個人に移りつつあるとはいえ、まだ、高齢者問題の入り口に立ったばかりのような印象を受けました。

 

南投県県庁を表敬訪問 中央は政府主任秘書陳氏

 

 

 南投県福祉団体交流会(中央が李朝卿知事)

 


交流会場にて 大変熱心で、活発な質問がでました

 

 

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