●ほとんどの年代で遺言・相続が相談内容の上位になっています。
相続させたくない人がある又は相続させたい人がいる。遺言書にどう書くべきかという悩みが70代・80代に多く見られ、相談件数2位を占める家族・親族問題と密接に関わっていると感じています。
相続権のある子どものうちどちらか一方にだけ財産のすべてを譲りたい。遺産は息子には渡したくない。実妹に渡したい。娘は死亡しているが孫二人のうち一人には相続させたくない。など相談者が現在に至るまでに家族間のつながりが非常に弱くなってきているのが露呈されているようです。
●常に相談者の7割近くを女性が占めておりましたが今回は特にその割合が高くなりました。
男性の相談内容の半数以上が遺言・相続にかかわるものでした。
自分の死後、妻に全財産を相続させたい。
相続の問題もすべてがたくさん財産のある人の相談ばかりではなく、相続した固定資産税が払えない。
高齢になり、先々の不安があるので土地を売却したいがなかなか売れない。
自分は仕事をやめて親の面倒を見ているが職を持たない兄が母の年金を使って生活している。
など、男性からの相談内容も親の介護や家族問題など広範囲に亘っています。
●暮らしの形態別の相談内容では一人世帯が40%を占めており、中でも70代が6割近くなっております。
近くに子供が住んではいても疎遠になっている相談者。生活が苦しく生活保護の申請をしたがぎりぎりの間のところで受給がかなわず、行政の助けもない人。さらにコツコツと貯めた老後資金がマイナンバー制度導入によることで不利になることにはならないかといった不安。今は元気であっても病気になった時の不安などが募っています。
●年代別や暮らしの形態別による「シニアの悩み」に大きな特徴はなく、現在は元気で暮らしていてもこれからのことを考えると不安になります。経済的な不安。家族や夫との不和による不安。健康への不安。
これらの不安をすべては解決することはできなくても、気軽に行ける相談窓口の設置。又は設置されている窓口の広報。そして対応する行政担当の方がいかに相談者に寄り添って、今できる、あるいは今考えられる手立てのすべてを提示していただければ高齢者の抱える不安の何パーセントかは解決できるものと思われます。
【参考】
*シニアライフアドバイザー(SLA)とは
(財)シニアルネサンス財団(1992年設立、主務官庁内閣府)実施している「中高年総合生活相談員」(シニアライフアドバイザー)の養成講座を修了し、その資格検査に合格した者です。
シニアライフアドバイザー(SLA)は人生90年時代、定年退職後・子育て終了後に迎えるシニアライフを、健康で経済的困難がなく、かつ不安やトラブルもなく、生き甲斐をもって最後まで幸せに過ごせるようにアドバイスし、同時にシニアと共に問題解決を図ることをモットーとしてボランティア活動を行っています。
(財)シニア ルネサンス財団 URL:http://www.sla.or.jp
*中部シニアライフアドバイザー協会とは
シニアライフアドバイザー(SLA)の資格を持つものが組織する団体で中部地方におけるSLA活動の推進をはかることを目的として1994年10月に設立されました。
SLAが組織する団体は、現在、東北・関東・中部・関西・中国・東中国・福岡の7協会があります。各協会が連携し、社会に向けた活動として、年2回、全国一斉電話相談「シニアの悩み110番」を実施しています。
中部シニアライフアドバイザー協会 URL:http://chubusla.web.fc2.com/index.html