「シニアの悩み110番」には、様々な悩みを抱える高齢者たちが情報を求めて電話をかけてきます。
「3年前にこの地方へ転居した。以前、暮らしていた地方では、いろいろな趣味の会があり、講演会
にも参加ができた。ここではそのような機会がない。情報があれば教えてほしい」
関東から九州に引っ越した80代の独居男性からの相談です。
自分が住んでいる地域の情報を知りたいという同じような相談は、全国6都市で開設している、
どの地域の「シニアの悩み110番」にも寄せられます。
全国の自治体には、高齢者が住み慣れた地域で安心していきいきとした生活ができるように、
健康を維持したり、生きがいをもって生活をするための支援やサービス、制度などが用意され、高齢者の社会参加の推進を
通して生きがいや介護予防につなげる取組みをしています。
これらの情報は、役所や自治体が定期的に発行する広報誌、新聞、テレビやラジオの広報番組を通
して案内をしています。相談窓口も細かく設けられています。
しかし、どのようなサービスがあり、どこに行き、どのようにすれば利用できるかなど、利用者側に
必要な情報がしっかり届いていません。
「シニアの悩み110番」に寄せられる相談には、それらの情報を知っていれば解決につながる相談も
多くあり、情報が溢れる現代社会の中で、せっかくの施策が活かされていないことを実感し、残念に思います。
内閣府の日常生活の情報に関する満足度の調査で、「不満である」「やや不満である」と答えた人
に対する、どのような点が不満かという設問に、「どの情報が信頼できるかわからない」「必要な情報が乏しい」
「情報の内容がわかりにくい」「どこから情報を得たらよいかわからな い」「字が小さくて読めない」などの項目が上がっ
ています。
(内閣府 平成26年度高齢者の日常生活に関する意識調査結果)
http://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h26/sougou/gaiyo/index.html
高齢者の一人一人が求める情報が余すことなく行きわたり、実際に利用できるように、利用者の立
場に立って、より利用しやすい仕組みを整えるとともに、情報提供のあり方を改善する創意工夫のなお一層の努力が望まれます。
そのことが、医療や介護が増加し続ける超高齢社会の中で、高齢者の社会参加を促し、ひいては介護予防へとつながります。
「シニアの悩み110番」も、高齢者が生き生きと生きがいを持って暮らすための情報を提供する
ツールとして、引き続き相談活動の充実を図っていく所存です。
【参 考】
*シニアライフアドバイザー(SLA)
シニアライフアドバイザー(SLA)とは、人生90年の時代、定年退職後や子育て終了後に迎えるシニアライフを健康でいきいきと
生きがいをもって豊かに生きられるように、家族関係、生きがい、福祉、介護など、中高年齢者の生活全般にわたって相談
にのったり、アドバイスをしたりする専門家です。
シニアライフアドバイザーの資格は、(財)シニアルネサンス財団(1992年設立、内閣府主管
URL:http://www.sla.or.jp)の「シニアライフアドバイザー養成講座」を修了
し、その資格審査に合格後に授与されます。
全国には、2,600名のシニアライフアドバイザー(SLA)がいます。(2010年10月現在)
*全国シニアライフアドバイザー協会
全国7都市にあるシニアライフアドバイザー協会が、全国一斉特設電話相談「シニアの悩み110番」
開設などの活動を、連携をとって実施するために設立された組織です。
全国7都市のシニアライフアドバイザー協会は次のとおりです。
東北シニアライフアドバイザー協会(仙台)
NPO法人関東シニアライフアドバイザー協会(東京)
中部シニアライフアドバイザー協会(名古屋)
関西シニアライフアドバイザー協会(大阪)
東中国シニアライフアドバイザー協会(福山)
NPO法人中国シニアライフアドバイザー協会(広島)
九州シニアライフアドバイザー協会(福岡)
*中部シニアライフアドバイザー協会
中部地区在住のシニアライフアドバイザー(SLA)で構成している組織です。定年退職をしたり
子育て終えた後に迎えるセカンドライフを、生き生きと生きがいを持って暮らすために、セミナーや講演会を開いたり、
また、電話相談をはじめとする相談活動を開設して、同じセカンドライフを歩いているものの立場から、アドバイスをする
という活動を、おもにボランティアで行っています。
中部シニアライフアドバイザー協会 URL:
http://chubusla.web.fc2.com/
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